FAQ
ArcGIS Pro:動作が遅い場合や強制終了する場合のパフォーマンスヒントー表示・編集・解析編

ナレッジ番号:6003 | 登録日:2025/09/18 | 更新日:2026/01/08

概要

ArcGIS Pro の環境やオプション設定の見直し、データ設計等、様々な観点での調整を行うことで、起動やデータの表示、編集や解析処理のパフォーマンスを向上できます。
本シリーズ「ArcGIS Pro:動作が遅い場合や強制終了する場合のパフォーマンスヒント」では、切り口別のページをご用意していますので、お困りごとに合わせてご確認ください。

本 FAQ では、表示・編集・解析編として、パフォーマンスを向上させるヒントをご紹介いたします。


見出し

C-1. 基本

投影法

ArcGIS Pro ではマップと異なる投影法のデータであっても、動的に投影変換(リアルタイム投影)されますがリアルタイム投影の計算により描画パフォーマンスが低下することがあります。マップ内のレイヤーが多く、また、異なる投影法のデータが複数追加されており描画パフォーマンスが低いと考えられるような場合は、マップ内のデータを同一の投影法に統一します。データの投影法を変換するには[投影変換]ツールを使用します。

ジオメトリ

ArcGIS アプリケーションは、フィーチャのジオメトリが特定の仕様に準拠しているという前提で構築されています。この仕様に準拠していないデータに処理アルゴリズムが遭遇すると、ソフトウェアのパフォーマンスが低下したり、ソフトウェアがエラーを生成したりすることがあります。
意図しない問題が多発するような状態の場合、問題の切り分けとして[ジオメトリのチェック] ツールを実行し、ジオメトリに問題が無いか確認します。

処理対象の絞り込み

レイヤー内の特定のフィーチャのみを表示する [定義クエリ] を使用してマップ上で表示するデータ量を制限することで、マップを高速に表示できます。
一例)日本全国のフィーチャを含むレイヤーを使用してある県のマップを作成する場合、県内にあるフィーチャだけを表示する

  1. [コンテンツ] ウィンドウでレイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  2. [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで、[定義クエリ] タブをクリックします。
  3. 1 つ以上の項目を追加して、レイヤーに表示するフィーチャのサブセットを定義します。

C-2. 表示

不要なマップやレイヤーの削除

プロジェクト内に追加されているマップやレイアウト、レイヤーの数が多いと、プロジェクトの起動やレイヤーの表示に時間がかかります。不要なマップやレイアウト、レイヤーを削除します。

表示縮尺の設定

特定の縮尺の時には表示する必要がないレイヤーに対して、表示縮尺を設定します。
一例)日本全国の表示にあたり、小縮尺時は市区町村レイヤーを表示し、大縮尺時は町丁・字等レイヤーを表示するようにします。 表示縮尺の設定は、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーをダブル クリックし、[レイヤー プロパティ] ウィンドウの [一般] タブ配下の [表示縮尺範囲] にて指定します。

シンボルの設定

複雑なシンボルを設定すると描画に時間がかかります。レイヤーやフィーチャの数量が多く描画に時間がかかるような場合は、1 色の塗りつぶしにする、シンボル レイヤーが 1 枚であるスタイルを使用する等、シンプルなシンボル設定にします。

ラベルの設定

大量のラベルの表示や複雑な設定をすると描画に時間がかかります。ラベリング サマリーにてラベルの設定状況を確認の上で、描画速度と表示内容を調整します。

  • ラベリング サマリーを利用して、設定状況を確認します。
    [ラベリング] タブの [マップ] グループで [オプション] → [サマリー] をクリックします。

    ラベリング サマリー レポートの詳細は ラベリング サマリー レポートの使用をご参照ください。
  • ラベル ウェイトの設定をしている場合は、フィーチャ ウェイトの利用は控えめにします。
  • ラベル表示の縮尺範囲を設定します。

C-3. 編集

編集対象の絞り込み

[コンテンツ] ウィンドウで [編集別にリスト](鉛筆アイコン)をクリックし、マップ内のレイヤーのうち、編集可能なものを絞り込みます。

フィーチャ キャッシュの使用

ArcGIS Pro は以前表示した範囲で作業する時に、キャッシュを使用してパフォーマンスを最適化します。このキャッシュは、マップ内のフィーチャを編集する場合等、マップ、レイヤー プロパティやデータ等を変更するときに更新されます。
フィーチャ キャッシュを使用すると、パフォーマンスが向上することがありますが、その反面、キャッシュ蓄積により期待するように動作しないこともありますので、必要に応じて作成や再作成を行います。
フィーチャ キャッシュを入力する/空にする場合、[マップ] タブ → [フィーチャ キャッシュ] グループの各アイコンをクリックします。 フィーチャ キャッシュの詳細はフィーチャ キャッシュの管理をご参照ください。

フィーチャの分割

  • 非常に大きなフィーチャ(数百万の頂点を持つフィーチャ)を処理する場合、フィーチャの分割と組み立てをタイル境界を越えて複数回繰り返すと、大量のメモリーが消費され、メモリー不足エラーが発生する可能性があります。
    処理の前に大きなフィーチャを小さなフィーチャに分割するには、[フィーチャの分割 (Dice)] ツール(※ Advanced ライセンスが必要)を使用できます。分割処理の詳細は 大きいデータセットのタイル化処理をご参照ください。
  • [カードグラフィック ツール] ボックス内のいくつかのジオプロセシング ツールをタイル分割して実行する場合は、ジオプロセシング ツールの実行時に環境設定でカードグラフィック パーティションを指定することもできます。これによって、大きなデータセットがパーティション単位で順次処理されます。
    カードグラフィック パーティション(ポリゴン)は、カードグラフィック パーティション作成 (Create Cartographic Partitions) ジオプロセシング ツール(※ Advanced ライセンスが必要)で作成できます。

C-4. 解析

[[元に戻す] の有効化] のオフ

[フィールド演算]、[アペンド]、[トレース形状に一致] 等、いくつかのツールには、ツールの [実行] ボタンの横に [[元に戻す] の有効化] の切り替えボタンがあります。[元に戻すの有効化] オプションがオンの場合、ツールの実行完了後に変更内容を [元に戻す] ことができますが、その反面、ツールのパフォーマンスが低下する可能性があります。
大規模なデータセットに対して処理を行う場合は、[[元に戻す] の有効化] をオフにします。

並列処理の有効化

マルチコア CPU のコンピューターでは、複数のコアを使用し、ジオプロセシングの処理を複数のプロセスに分散することによって、処理性能を高速化できることがあります。並列処理によって得られる性能上のメリットはツールによって異なりますが、利用可能なツールの場合は、ツールの [環境] 設定の [並列処理ファクター] にて、プロセス数を指定します。並列処理設定の詳細は並列処理ファクター (環境設定)をご参照ください。

その他、ツール ボックス別の並列処理の詳細はSpatial Analyst での並列処理Geostatistical Analyst:複数の CPU を使用した並列処理をご参照ください。

並列処理を利用可能なツール

  • 従来のオーバーレイ ツール([バッファー]、[ディゾルブ]、[インターセクト]等)とペアワイズ オーバーレイ ツール ([ペアワイズ バッファー]、[ペアワイズ ディゾルブ]、[ペアワイズ インターセクト] 等) の内部実装は異なりますが、必要とする処理や速度によっては、ペアワイズ オーバーレイ ツール ボックス内のツールの利用を検討ください。詳細は従来のオーバーレイ ツールとペアワイズ オーバーレイ ツールの比較をご参照ください。
  • Advanced ライセンス ユーザーの場合】GeoAnalytics Desktop ツールボックスのツールの利用を検討してください。ツールの多くは、Spark 並列処理エンジンを使用することで、他の代替手段よりも高速です。
    一例)[空間結合] の代わりに [フィーチャの結合] ツールや [ポイントの集約]、[要約統計量] の代わりに [属性の集計] ツールを利用

メモリーベースのワークスペースに書き込む

通常、ジオプロセシングでの処理結果はファイルやジオデータベースに書き込みますが、メモリーベースのワークスペースに書き込むこともできます。多くの場合、ディスク上のフォーマットに書き込むよりも大幅に高速ですが、制限事項もあります。詳細はジオプロセシング出力をメモリーに書き込みをご参照ください。

ジオプロセシング履歴の削除

ジオプロセシング履歴はプロジェクト (*.aprx ファイル) に格納されるため、履歴が肥大化すると、プロジェクトの読み込みや作業のパフォーマンスに影響する可能性があります。
不要なジオプロセシング履歴は、[解析] タブ → [ジオプロセシング履歴] をクリックして [履歴] を表示し、[×] を選択して削除します。複数選択したい場合は Shift キーを押した状態で、過去の処理履歴をクリック後に [×] を選択します。

ジオプロセシング操作をメタデータに記録しない

デフォルトでは、ジオプロセシング操作は、操作に関係するデータセットのメタデータに記録されます。データセットに対して多数のツールを繰り返すワークフローを実行すると、メタデータの [ジオプロセシング履歴] セクションが、そのデータセットの使用のパフォーマンスに影響を与える規模にまで肥大化する可能性があります。
メタデータへの記録は、[オプション] → [ジオプロセシング] にて、[ログ] カテゴリーの [ジオプロセシング操作をデータセット メタデータに書き込む] をオフにするか、arcpy を使用して無効にします(SetLogMetadata(False) を Python スクリプト内で使用します)。

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