FAQ
ArcGISにおける、予期せぬトラブル発生時の対処法
ナレッジ番号：5433 | 登録日：2023/07/26 | 更新日：2023/08/21
概要
本 FAQ では、システムやアプリケーションが意図した動作をせず予期せぬトラブルが発生した場合の対処を記載します。
予期せぬトラブルが起きた時はヘルプなどのドキュメントを参考にするだけでなく、発生条件を調べることや、問題が発生している環境で様々なテストを行う方が重要になるケースが多いです。そのような調査やテストによって問題の切り分けができ、必要な対処法を特定できるためです。ここではデスクトップ製品や開発したスタンドアローン アプリケーションにおいて、予期せぬトラブルが起きた際に確認する事項と、その確認方法を中心に説明いたします。
確認事項
いつからその問題が発生しているか
その問題が発生し始めた時期やきっかけをまず確認します。
その問題がArcGIS を導入した直後から発生しているのか、それともある時期を境に発生したかをまず確認します。後者の場合は、その時期に問題のきっかけとなる事象がなかったかを確認します。例えば ArcGIS をバージョンアップしたとか、作業手順を変更したとか、些細なことで結構ですので思い出してみてください。
どこでその問題が発生するか
問題が発生する「場所」(環境) を確認します。例えば、特定の PC またはログイン ユーザーで発生するのか、特定の ArcGIS のバージョンや OS で発生するかを確認します。
そのためには、問題が発生している環境だけでなく別の環境においても再現確認を行います。あるいは、問題が発生している環境でログイン ユーザー、ArcGIS のバージョン等を変更して動作確認を行います。別の PC でも動作確認が可能であれば、そのPC に同一条件の環境を用意し、テストを実施します。
- 描画に異常がある場合、お使いの PC のグラフィック ドライバーを最新のものに更新します。
- メモリ不足を知らせるエラーが表示される場合は、PCのスペックや空き容量を確認します。
データ固有の問題か
GIS はデータ使用あってのシステムですので、ご利用のデータによっても結果が左右されます。例えば、特定のフィーチャクラスやシェープファイル、テーブル、マップ ドキュメント、プロジェクトでのみ起こるかなどを確認します。
- 特定のフォーマットのデータを使用することで発生するかを確認するには、原因と考えられるデータのフォーマットを変換します。例えば、GISデータであれば、シェープファイルからファイル ジオデータベースのフィーチャクラスに変換します。
- 特定のマップドキュメント (またはデータ フレーム) 、プロジェクト、マップに追加した際にのみ発生するのであれば、マップの座標系やレイヤーに対する設定に問題がある可能性があります。
- データの名称やフィールド名を変更することによって改善される場合は、ArcGIS 製品の名称の制限に起因した問題である可能性がございます。
詳細については以下の FAQ 等でご確認いただけます。
ファイル ジオデータベース (.gdb) とフィーチャクラスの名称に関する制限
テーブルのフィールド名およびテーブル名に関する制限事項
モデル、プログラム固有の問題か
- ModelBuilder で構築したモデルで問題が生じた場合は、問題が生じるまでに行った処理を、ジオプロセシング ツールを手動で実行して動作確認を行います。手動で実行した場合は再現しないのであればモデル固有の問題であると判断できます。ModelBuilder でのトラブル対処については「標準サポートサービスのお問い合わせに関する留意事項」の FAQ でご確認いただけます。
- ArcPy、ArcObjects、ArcGIS Pro SDK .NET 等の開発 API を使用して処理を実装した場合に起こるトラブルについて、同様の処理を ArcMap や ArcGIS Pro などのデスクトップ アプリケーションでも試します。
それにより開発 API 固有の問題か分かりますが、開発 API 固有の問題の場合は開発者サポートとしてお問い合わせください。デスクトップ アプリケーションでも再現するトラブルの場合は、標準サポート サービスにて承ります。
その他
- 印刷ができない場合は「どこでその問題が起こるか」において、プリンターも考慮する必要があります。
プリンターや用紙サイズ、またはプリンター側のプロパティの変更をすることで改善されるかご確認ください。
印刷のトラブルに関連する問題の切り分けを行う際は「ArcMap の印刷やマップのエクスポートで生じるエラーへの対処方法」を参考にしてください。
関連する質問
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