FAQ ArcGIS Pro: 斜面の傾斜角、傾斜方向の算出方法

ナレッジ番号:3140 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2023/06/21

概要

ArcGIS Pro で、標高値を持つラスターから傾斜角や傾斜方向を算出するには、ラスター関数またはジオプロセシング ツールを使用します。

ジオプロセシング ツールを使用して同様の処理を行うには、Spatial Analyst または 3D Analyst のエクステンションが必要です。
一方、ラスター関数はエクステンションをお持ちでなくてもご利用いただくことができます。

ここでは、ラスター関数を使用する方法について手順の詳細を説明します。


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データ(長野県 松本市 安曇野市 付近)
(JAXA が公開している ALOS全球数値地表モデル(DSM)30m メッシュを加工したもの)

ジオプロセシング ツールを使用して処理を行いたい場合は、以下のツールをご利用ください。

前提条件

標高値を持つデータ(DEM)は、投影座標系(メートル単位)である必要があります。データが地理座標系(緯度経度単位)である場合は、あらかじめ投影座標系に投影変換してください。ラスターの投影変換は [ラスターの投影変換 (Project Raster)] ツールを使用して行います。

ArcGIS バージョン 10.5 より地理座標系(緯度経度単位)の DEM であっても、メートル単位の鉛直座標系を定義することで、傾斜角や傾斜方向を算出できるようになりました。
  • 投影法の定義の詳細な設定方法は FAQ 7444 をご参照ください。
  • 鉛直座標系を定義するには、座標系の設定画面で [現在の Z] を選択 → [使用可能な Z 座標系] より定義します(例:[鉛直座標系] → [世界] → [EGM2008 Geoid])。

手順

  1. ArcGIS Pro に標高値を持つラスターデータを追加します。
  2. ArcGIS Pro の [解析] タブを選択 → [ラスター関数] を選択して [ラスター関数] ウィンドウを表示します。

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  3. [ラスター関数] ウィンドウにて [サーフェス] を展開して [傾斜角] / [傾斜方向] を選択します。

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    ■傾斜角を算出する場合
    [傾斜角 プロパティ] が開きますので、[DEM] に標高値を持つラスターデータ入力したあと、[新しいレイヤーの作成] をクリックして傾斜角を算出します。

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    ■傾斜方向を算出する場合
    [傾斜方向 プロパティ] が開きますので、[DEM] に標高値を持つラスターデータ入力したあと、[新しいレイヤーの作成] をクリックして傾斜方向を算出します。

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  4. [傾斜角] / [傾斜方向] を表すラスターデータにシンボル設定を行います。
    [コンテンツ] ウィンドウにあるラスターデータ名を右クリックしてメニューを開き、[シンボル] をクリックします。
    [シンボル] ウィンドウが表示されますので、シンボル設定を行います。
    ・傾斜角のシンボル設定例:「シンボル:分類」「手法: 指定間隔」「間隔サイズ: 10」
    ・傾斜方向のシンボル設定例: 「シンボル:分類」「手法: 指定間隔」「間隔サイズ: 4」
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    (配色からシンボル カラーを設定する場合)
    ①[シンボル] ウィンドウの [配色] のプルダウンを選択して [配色の書式設定] を選択します。
    ②[配色エディター] が表示されますので、[色] のプルダウンを選択して [色プロパティ] を選択します。
    ③ [カラーエディター] のカラーモデルより色の設定を行います。

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    (数値分類のシンボルからカラーを設定する場合)
    シンボルをダブルクリックして [カラーエディター] のカラーモデルよりカラーの設定を行います。
  5. 傾斜角 / 傾斜方向を算出したラスターデータは仮想レイヤーとなっています。実ファイルにして保存するには ArcGIS Pro にある [データ] タブを選択 → [データのエクスポート] を選択して保存します。
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    (実ファイルへ保存するための設定例)
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出力結果例
(傾斜角 / 傾斜方向)

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