FAQ
国土地理院が公開している無償で使える植生指標 (NDVI) データの使用方法

ナレッジ番号:2741 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2023/06/21

NDVI データについて

ArcGIS では、衛星データから植生指標(NDVI)データを作成することが出来ます。しかし、手元に存在するデータでしか処理をすることが出来ませんので、複数年の傾向を見たりする際にはその時々の衛星データを入手しなければなりません。

国土地理院では国土環境モニタリングとして2種類の植生指標(NDVI)データを公開しています。

250m 植生指標(NDVI)データ

Terra衛星に搭載されているMODISセンサのチャンネル1および2から作成したものです。月ごとのデータが公開されており2004年4月分以降のデータを無償で利用することが出来ます(現在も更新中です)。

1km 植生指標(NDVI)データ

NOAA 衛星に搭載されているAVHRRセンサのチャンネル1および2から作成したものです。月ごとのデータが公開されており 1997年4月分以降 2007年12月までのデータを無償で利用することが出来ます。

データは以下のURLよりダウンロードすることが出来ます。

http://www1.gsi.go.jp/geowww/EODAS/ndvi-download.html

データの利用方法

今回は250m植生指標(NDVI)データをダウンロードしてみます。

ダウンロードしたファイルは圧縮されています。ファイルを解凍すると「XXXXXX-NDVI_250.raw」が展開されます。このままではArcMapで表示することが出来ませんのでヘッダーファイル(rawファイルと同名で拡張子が .hdr)をテキスト エディタ等で作成します。この時ヘッダーファイルはraw ファイルと同じフォルダに配置するようにします。

利用する項目は以下の通りです。

BYTEORDER    データの並び順 インテル型(I)かモトローラ型(M)を指定します
LAYOUT           データの並び BIL, BSQ, BIP を指定します
NROWS            一列に格納されているピクセル数を指定します
NCOLS             行の総数を指定します
NBANDS          バンド数を指定します
NBITS               データのビット数を指定します
ULXMAP          データの左上X座標値を指定します
ULYMAP          データの左上Y座標値を指定します
XDIM               1ピクセルあたりのXディメンションを指定します
YDIM               1ピクセルあたりのYディメンションを指定します
DATUM           投影法を指定します

データの仕様がダウンロードページにありますので参照してパラメータを設定します。

なお、今回のXXXXXX-NDVI_250.raw データの場合は以下のようになります。

BYTEORDER     I
LAYOUT            BIL
NROWS             14400
NCOLS              14400
NBANDS           1
NBITS                8
ULXMAP          120.0
ULYMAP          50.0
XDIM                0.002083333333
YDIM                0.002083333333
DATUM            JGD2000

XXXXXX-ndvi.raw データ(1km)の場合は上記パラメータと後述する空間参照の設定が異なりますのでご注意ください。

hdrファイルを作成したら、エクスプローラーからArcMapにXXXXXX-ndvi.rawをドラッグ アンド ドロップするか、カタログウィンドウからファイルを開きます。

Image

データが表示されると、不明な空間参照ダイアログが出現します。データにはまだ空間参照が定義されていないので定義する必要があります。
ArcToolbox→ [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [投影法の定義] にて定義します。

Image

入力データセット、またはフィーチャクラスには表示している画像をドロップダウンリストから選択します。
座標系は、ArcGIS10の場合、選択ボタンから日本周辺の地理座標系から日本測地系2000(JGD 2000)を選択して処理を実行します。ArcGIS10.1以降の場合は、[ここに検索文字列を入力]に[日本測地系]と入力して検索し、検索結果から日本測地系2000(JGD 2000)を選択して処理を実行します。

処理が終了したら、ArcMapに新規ドキュメントを開きデータを表示します。
今度は不明な空間参照ダイアログは出現せず、右下にカーソルの座標値も表示されています。

空間参照されたデータが正常な場所にあるかどうかを確認するために、ESRI ジャパンが提供している全国市区町村界データを利用してみましょう。
以下のURLよりダウンロードすることが出来ます。

http://www.esrij.com/products/gis_data/japanshp/japanshp.html

ダウンロードしたファイルを解凍し、ArcMap に追加します。
きちんとした場所に表示されているかを確認してください。

Image

インターネット上には無料で利用することのできる様々なデータが存在します。
以前に紹介しました 米国Esri社が公開している Landsat イメージサービスや同じく国土地理院が提供している基盤地図情報もその1つです。これらのデータを用いることで解析に入る前段階である準備時間を短縮してみてはいかがでしょうか。

なお、無償のデータを利用する際はデータ提供者の利用規定に従うようにしてください。

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