FAQ
ラスタデータのワールドファイルとは?

ナレッジ番号:1027 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21

説明


ラスタデータのワールドファイルとは?

ジオデータベース、シェープファイル、カバレッジのようなベクタデータのフィーチャクラスは、実世界の座標値を保持することができます。一方、イメージ画像は、ラスタデータとして保存されますが、その場合のラスタデータの各セルには、イメージ画像の持つロウやカラムの番号が保存され、実世界の座標値を保存されません。そのため、イメージ画像をこのベクタ データと共に表示するには、イメージ画像が持つ座標値(実世界の座標値とは関係がない値)をベクタデータが持つような実世界の座標値に変換する必要があります。この変換のための情報は、通常イメージとともに保存されるようになっています。

例えば、ERDAS、IMAGINE、BSQ、BIL、BIP、GeoTIFF、グリッドなどのファイル形式は、ジオリファレンス情報(実世界の座標値)をイメージ画像のヘッダー部分に格納します。ArcGIS は、このジオリファレンス情報が存在する場合、この情報を使用することができます。しかし、ファイルのヘッダーにジオリファレンス情報を保持しない形式の場合は、この変換情報を、別個のASCII ファイルに格納します。このファイルがワールドファイルと呼ばれるものです。ワールド ファイルは、NotePad、メモ帳 のようなテキストエディタでも作成することができます。

*ワールドファイルの作成方法は、 こちら をご参照ください。


ワールドファイルの見分け方と拡張子について
(9.2以降バージョンの場合)

 

イメージ ファイルに付属するワールド ファイルを見分けるのは簡単です。ワールド ファイルには、イメージと同じ名前の最後に「w」が追加された名前が付いています。しかし、命名規則がこの最初の説明とは異なる場合もあります。その場合は、イメージ ファイルの拡張子の1文字目と3文字目を使用し、最後に「w」を付け足したものを、ワールド ファイルの拡張子として使用します。

イメージの拡張子がない、または拡張子が3文字未満の場合は、 ファイル名を変更せずに、最後に「w」を付け足します。したがって、 イメージ ファイル terrain のワールド ファイルは terrainw、 floorpln.rs の ワールド ファイルは loorpln.rsw となります。

ワールド ファイルの名前の例

ラスタ データ ファイル ワールド ファイル
image.tif image.tfw または image.tifw
image.bil image.blw または image.bilw
Image.jpg image.jgw または image.jpgw
image.raster image.rasterw
image.bt image.btw
image imagew


ArcGISで最初にワールド ファイルを読み取るための設定


ワールドファイルを参照するように変更するには、ArcMapのメニューの[カスタマイズ]→[ArcMap オプション]の「ワールド ファイルを使用してラスタの座標値を定義する」オプションをチェックします。

この設定で参照するワールドファイルは(上記の表に記載の、「tifw」「jpgw」等の 末尾に「X」が付加されていないワールドファイルです。


ArcGIS10.x以降の場合

  1. メインメニューの [カスタマイズ] をクリックし、 [ArcMap オプション] をクリックします。
  2. [オプション] ウィンドウの [ラスタ] タブをクリックします。
  3. [ラスタ] タブで [ラスタ データセット] をクリックし、 [ワールド ファイルを使用してラスタの座標値を定義する] チェックボックスをオンにします。
  4. [OK] をクリックします。

※ワールドファイルは、座標の移動情報を記述しているファイルですので、空間参照情報(座標系・投影法など)は含まれません。そのため、ラスタデータ自体に空間参照の設定が別途必要となります。

ArcGIS9.x以前の場合

  1. メイン メニューの [ツール] をクリックし、[オプション] をクリックします。
  2. [ラスタ] タブをクリックします。
  3. [一般] タブで、[ワールド ファイルを使用してラスタの座標値を定義する] をチェックします。
  4. [OK] をクリックします。

ArcGIS 9.2 以降のバージョンでは、GeoTIFFなどのファイル形式のヘッダー情報からジオリファレンス情報を自動的に読み取り、ワールド ファイル「***.tfwx」に格納されている、ジオリファレンス情報は上書きされます。(ジオリファレンスの更新を行うと、ワールドファイル拡張子の末尾に「X」が付加されたファイルが作成されます。)この「***.tfwx」は、ジオリファレンスでの変換をワールド ファイルとして表現できない場合に、[ジオリファレンスの更新]が変換を *.aux.xml ファイルに書き込み、近似アフィン変換を書き込んだものです。たとえば、この近似アフィン変換のある TIFF 画像の拡張子は *.tfwx です。これは正確な変換ではなく、近似にすぎないことに注意してください。

ArcGIS 9.1 およびサードパーティ ソフトウェアで必要な場合には、このテキスト ファイル(*.tfwx )をワールド ファイルとして使用することができます。このテキスト ファイルを使用するには、ワールド ファイル拡張子名の「x」を削除します。このテキスト ファイルは ArcGIS 9.2 のラスタ データセットの一部ではないため、ArcGIS 9.2 以降のように *.aux.xml ファイルを読み取ることができるバージョンでは、このファイルをワールド ファイルとして使用しないでください。

 

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