FAQ
異なる位置やサイズでレイヤーが表示される
ナレッジ番号:2965 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21
はじめに
ArcMap に追加したときにデータが正しく重ならない場合、ArcMap のマップの座標系の設定や、データに定義された座標系の違いなど様々な原因があります。各設定を一つ一つ確認し、原因を切り分けていく必要があります。
現象
- ArcMapに新しいデータを追加したときに、全く異なる場所に表示される
- 全体表示するとマップに何も表示されなくなるか非常に小さく表示される
確認事項
1.ベースマップと重ね合わせて表示される位置を確認する
ArcMap では、全世界を途切れることなく表示できるベースマップを追加することができます。このベースマップと、ずれているデータを重ね合わせて、ベースマップのどこに表示されるか確認し、データのずれの度合いを確認します。
手順
- 新規に ArcMap を起動します。
- [ファイル] メニュー → [データの追加] → [ベースマップの追加] をクリックし、 [ベースマップの追加] ウィンドウで、ベースマップを追加します。細かい地名などが記載された [道路地図] や [地形図] 、 [オープンストリートマップ] を追加すると位置を確認しやすくなります。
- [表示] メニュー → [データ フレーム プロパティ] を開き、 [座標系タブ] にて、設定されている [Web メルカトル図法] から、座標系を変更します。変更する座標系は、重ね合わせに使用しているデータが持つ座標系を指定します。たとえば、お持ちのデータが地理座標系の JGD 2000 の場合は、JGD 2000 を検索し、選択します。
※座標系の検索方法は、 日本で使用される座標系を検索する方法をご確認ください。
- [データ フレーム プロパティ] で [OK] をクリックすると、 [警告] ウィンドウが表示されます。
[変換] をクリックし、 [地理座標系変換] ウィンドウにて、 [変換方法] を選択し、 [OK] をクリックします。
[警告] ウィンドウで、 [はい] をクリックします。 - 位置を確認したいデータを追加し、表示される位置を確認します。
2. マップの座標系とデータの座標系の設定を確認する
ArcMap ではマップ表示に使用するマップの座標系(データ フレームの座標系)とデータ自体に定義された座標系(データの座標系)の2種類の座標系の設定があります。以下のFAQを参考にマップの座標系(データ フレームの座標系)とデータの座標系に定義された座標系を確認してください。
ArcMapに追加したデータフレームやレイヤの座標系を確認するには?
座標系の設定が「未定義」の場合(原因 1)
座標系が定義されていない場合、データの含まれる座標値が地球上のどの位置に存在するかを特定することができません。
マップの座標系(データ フレームの座標系)が未定義の場合は以下のような設定方法で設定を行います。
- 新規にArcMap を起動しなおして、データの座標系が定義されたデータをマップに追加します。( 新規マップに座標系が定義されたデータを設定すると、マップの座標系(データ フレームの座標系)は、一番初めにマップに追加したデータに定義された座標系が設定されます。)
- ArcMap の [表示] メニュー → [データ フレーム プロパティ] の [座標系] タブで設定します。
データに対して座標系が定義されていない場合は、以下のツールを使用して座標系を設定します。
[ArcToolBox] → [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [投影法の定義] ツール
※ここで設定する座標系は、データの入手元に確認し、データ作成時に使用した座標系を設定します。
3. データの範囲に表示された座標値を確認する
GISデータにはデータが存在する領域を座標値で示した「範囲」という情報があります。日本で主に使用されている座標系、たとえば、地理座標系(緯度経度)、平面直角座標系、UTM座標系の座標値は、それぞれ座標値に特徴を持っています。
範囲に表示された座標値の特徴と、定義されている座標系の情報を確認し、データに正しくない座標系が定義されていないかどうか確認します。以下のFAQを参考に範囲に表示された座標値を確認し、定義されている座標系の特徴と一致しているかどうか確認してください。一致していない場合はデータに正しい座標系が定義されていないことが考えられます。
範囲に表示されている座標値の値が定義されている座標系の特徴と一致していない = データの座標系の設定が正しくない (原因 2)
平面直角座標系を定義しているにもかかわらず、 範囲で表示されている座標値が X 座標が 140、 Y 座標が 35 などの地理座標系の特徴を持った値の場合は、データに設定している座標系が正しくありません。このようなデータは、データの座標系を変換する際に、 [投影変換] ツールではなく、 [投影法の定義] を使用した場合や、 [カタログ] ウィンドウから、データのプロパティを開き、[座標系] タブにて座標系を変更した場合に発生します。この場合は、以下の手順で、データに対してもともと定義された座標系を定義しなおしてから [投影変換] を行います。
- [ArcToolBox] → [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [投影法の定義] ツールにて、データに対してもともと定義されていた座標系を設定します。
- [ArcToolBox] → [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [投影変換] を使用してデータを変換します。
※ArcGIS 10.2.1 までの場合は、[ArcToolBox] → [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [フィーチャ] → [投影変換] ツール、ラスタ データの場合は、[ArcToolBox] → [データ管理ツール] → [投影変換と座標変換] → [ラスタ] → [ラスタの投影変換] ツールを使用します。
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