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Web メルカトル図法とは

ナレッジ番号:2554 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/09/04

説明

Google Maps や Bing Maps(Microsoft Virtual Earth)の地図で採用されている座標系は、地球の形状を真球と仮定した”特殊な回転楕円体”で定義された地理座標系に基づき、メルカトル投影法で表現したものです。

”特殊な回転楕円体”とは、WGS84 で定義されている回転楕円体の極半径に、赤道半径の値を設定したものです。Esri社では、この回転楕円体「WGS_1984_Major_Auxiliary_Sphere」と定義し、「WGS_1984_Major_Auxiliary_Sphere」楕円体に基づいてメルカトル図法で投影した投影座標系を「Web メルカトル図法」と呼んでいます。

「Web メルカトル図法」と(WGS84 楕円体による)メルカトル図法は異なる測地系となります。そのため、通常両者のデータを正しい位置で重ね合わせるためには測地系の変換を行う必要があります。

Esri 社は、このずれを解消するために「Mercator_Auxiliary_Sphere」という投影法を開発しました。通常、投影法は球体(楕円体)である地球を平面に表現するための方法ですが、「Mercator_Auxiliary_Sphere」は投影によって回転楕円体の赤道半径と極半径を変更します。これにより、測地系を WGS84 と定義した「Web メルカトル図法」を表示することが可能となり、ユーザーが測地系の変換を考慮する必要がなくなりました。

ArcGIS には「Web メルカトル図法」を表示するための定義として、以下の 2 つの座標系が定義されています。どちらも単体で地図を表示した場合の違いはありませんが、他のデータと重ね合わせた場合に違いが生じます。

  • Webメルカトル図法(Web Mercator)(WGS 1984)
    地理座標系に「WGS 1984 Major Auxiliary Sphere」、投影法に「Mercator(メルカトル図法)」を採用した座標系です。回転楕円体は前述のように真球を使用しているため、WGS84 のデータと重ね合わせようとするとずれが生じます。
  • Webメルカトル図法(補助球体)(Web Mercator(auxiliary sphere))(WGS1984)
    地理座標系に「GCS_WGS_1984」、投影法に「Mercator_Auxiliary_Sphere」を採用した座標系です。この座標系は ArcGIS 9.3 ServicePack 1 以降に採用され、一般的に利用されている楕円体であるWGS 1984を基準としていますが、Google Maps や Bing Mapsとの重ね合わせられるように用意されたものです。 

使用方法

データの座標系に、日本測地系のような、WGS84 とは異なる地理座標系を持つデータの場合、データ表示の不整合はより顕著になります。このようなデータを ArcGIS Online の Bing Maps に重ね合わせる場合には、データの座標系を前述の「Web メルカトル図法」または WGS84 を基準とする座標系に変換してご利用ください。

また、KML ファイルとして Google Earth などにデータを出力する場合は「GCS_WGS_1984」に変換して出力してください。

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