FAQ
Web メルカトルとは
ナレッジ番号:2554 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2025/11/05
説明
Google Maps や Bing Maps (Microsoft Virtual Earth) の地図で採用されているこの座標系は、地球の形状を真球と仮定して投影する ”特殊な回転楕円体" に基づくメルカトル図法で投影したものです。”特殊な回転楕円体”とは、WGS84 で定義されている回転楕円体の極半径を、赤道半径の値にも適用したものです。Esri社では、この回転楕円体を「WGS_1984_Major_Auxiliary_Sphere」と定義し、「WGS_1984_Major_Auxiliary_Sphere」楕円体に基づいてメルカトル図法で投影した投影座標系を「Web メルカトル」と呼んでいます。
「Webメルカトル図法」とも呼ばれる場合もありますが、これは地図投影法の名前ではなく、座標系の名称で、Webメルカトルの測地系は WGS84、地図投影法は「Mercator_Auxiliary_Sphere」と呼ばれるものです。通常、地図投影は測地系に定義されている回転楕円体に基づいて行われるため、WGS84 に基づいたメルカトル図法は、地球が扁平していることを考慮した表現になるべきですが、「Mercator_Auxiliary_Sphere」は地球が真球であることを前提として表示されます。つまり、回転楕円体の極半径が赤道半径と同じ長さとして表示されます。ArcGIS には「Web メルカトル」を表示するための定義として、以下の 2 つの座標系が定義されています。どちらも単体で地図を表示した場合の違いはありませんが、他のデータと重ね合わせた場合に違いが生じます。
- Webメルカトル (Web Mercator) (WGS 1984)
測地系(地理座標系)に「WGS 1984 Major Auxiliary Sphere」が使用され、地図投影法に「Mercator (メルカトル図法)」を採用した座標系です。測地系 (地理座標系) に採用されている回転楕円体には真球を使用しているため、WGS84 のデータと重ね合わせようとするとずれが生じます。 - Webメルカトル (補助球体) (Web Mercator (auxiliary sphere) ) (WGS1984)
測地系 (地理座標系) に「GCS_WGS_1984」が使用され、地図投影法に「Mercator_Auxiliary_Sphere」を採用した座標系です。この座標系は ArcGIS 9.3 ServicePack 1 以降に採用され、一般的に利用されている楕円体であるWGS 1984を基準としていますが、Google Maps や Bing Mapsとの重ね合わせられるように用意されたものです。
使用方法
データの座標系に、日本測地系のような、WGS84 とは異なる地理座標系を持つデータの場合、データ表示の不整合はより顕著になります。このようなデータを ArcGIS Online の Bing Maps に重ね合わせる場合には、データの座標系を前述の「Web メルカトル」または WGS84 を基準とする座標系に変換してご利用ください。また、KML ファイルとして Google Earth などにデータを出力する場合は「GCS_WGS_1984」に変換して出力してください。
- Webメルカトル (Web Mercator) (WGS 1984)
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