FAQ
(ArcGIS Pro)作成済みのタイルキャッシュを利用してキャッシュマップサービスを公開したい

ナレッジ番号:5605 | 登録日:2023/08/03 | 更新日:2023/08/09

概要

作成済みのタイルキャッシュを再利用するようなイメージで、新しく公開したタイル(マップイメージ)サービスで作成済みのタイルキャッシュを参照するように設定する方法を紹介します。

想定

ArcGIS Enterprise や ArcGIS Server で配信しているタイル(マップイメージ)サービスを別のマシンに配置しなおすようなケースでの操作となります。

前提

次の製品を利用できること
  • ArcGIS Pro(公開対象の製品に接続できること)
  • ArcGIS Enterprise
  • ArcGIS Server のインストールディレクトリにアクセス可能で、且つ作成済みのキャッシュを取得できること
ArcGIS Pro から ArcGIS Enterprise  へ接続する方法は、ArcGIS Pro からのポータル接続の管理 のガイドをご参照ください。

ご準備いただくデータ

  • 作成済みのタイルキャッシュ
    ArcGIS Server の管理ディレクトリ(例:C:\arcgisserver\directories\arcgiscache)で対象のサービスのディレクトリ配下に格納されている [_alllayers] フォルダ配下のデータとなります。
  • スキーマファイル
    例:Comf.xml  (拡張子が XML  のファイルとなります)
    ※すでに公開しているサービスがあれば、既存で格納されているデータとなります。
  • 作成済みのタイルキャッシュを公開したときのマップ(プロジェクト)または、同等範囲をカバーするフィーチャクラスが定義されているマップ
    ※公開したときのデータで再公開できるのがベストですが、違うデータでも対応できます。  お持ちでない場合は、新たにファイルジオデータベースなどを作成して、ポリゴンフィーチャをキャッシュのファイルの範囲に合わせて作成し、このマップに対してサービスを作成することで対応可能です。

手順概要

大きく分けて次の 3 つの手順となります。
  1. 新しいサービスの公開
  2. サービスを公開したArcGIS Server の管理ディレクトリに作成済みのタイルキャッシュを格納する
  3. ArcGIS Server Manager で格納したタイルキャッシュを参照するように設定する
操作イメージとしては、再利用するタイルキャッシュに合わせて、ArcGIS Pro からマップイメージサービスを公開し、公開したマップイメージサービスの管理ディレクトリに、作成済みのタイルキャッシュを格納して、ArcGIS Server Manager から格納したタイルキャッシュを参照するように設定します。
上記の項目ごとに下記で詳細な手順を記載します。

手順

1.新しいサービスの公開

ArcGIS Pro で下記の設定でサービスを公開します。
  1. [コンテンツ] ウィンドウで、サービス公開対象のデータを右クリックして [共有] > [Web レイヤーとして共有] を選択し [Web レイヤーとして共有] ウィンドウを開きます。
    サービスの名前(半角英数)と概要、タグを入力し、[データおよびレイヤータイプ]  で [登録済みデータを参照]  の [マップイメージ]  のラジオボタンを選択します。 

  2. [構成] タブを開いて [レイヤー] の [マップイメージ] 鉛筆のマークを選択して [マップイメージプロパティ] を開きます。

  3. 同ウィンドウで、[レイヤーの描画] の部分で [新しいキャッシュからのタイルを使用] のラジオボタンを選択します。

  4. 同ウィンドウで、[タイルスキーマ] のドロップダウンより [タイルスキーマファイル] を選択します。選択すると、お持ちのスキーマファイルを選択するウィンドウが表示されるため、ご用意いただいたスキーマファイル(例:Conf.xml)を選択します。

  5. 同ウィンドウで、[オプション] を展開して [サーバー上に手動でキャッシュ] のラジオボタンを選択します。(作成済みのキャッシュのファイルは、後にこのオプションに表示されている [キャッシュディレクトリ] のパス配下に配置します。)

  6. [分析] して、サービスを [公開] します。

2.サービスを公開したArcGIS Server の管理ディレクトリに作成済みのタイルキャッシュを格納する 

公開先の ArcGIS Server のキャッシュ格納ディレクトリは、デフォルトでは下記のパスの配下となります。

例 C:\arcgisserver\directories\arcgiscache
※実際のフォルダーは、前項の 1-5  での手順で表示されているフォルダーとなります。  

上記の配下に、「公開したサービス名\マップ名称」のフォルダがあることを確認します。
「マップ名称」のフォルダを展開すると [_alllayers] フォルダがございます。
このフォルダを、作成済みのキャッシュが格納されているフォルダー(_alllayers)で上書きします。

3.ArcGIS Server Manager で格納したタイルキャッシュを参照するように設定する  

ArcGIS Server はデフォルトで存在するキャッシュを利用する設定となっているはずですが、念のため ArcGIS Server Manager で下記の設定をご確認ください。
  1. ArcGIS Server Manager にサインイン(管理者権限)
  2. [サービス] > [サイト(ルート)] を表示しているので、新しく作成したサービスを見つけて、サービス名をクリックします。
  3. 左のメニューから [キャッシュ] を選択します。[このマップ サービスの描画方法:] が [キャッシュのタイルを使用] となっていることを確認します。 

免責事項

お客様のデータを必ず公開できるように保証する方法ではないため、大切なデータ移行を行う場合は必ずお手元での検証を行った上での操作をお願い致します。

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