FAQ
度(度数法)とラジアン(弧度法)の違いについて

ナレッジ番号:5544 | 登録日:2023/07/27 | 更新日:2024/11/21

概要

度もラジアンも角度を表します。どちらを使っても角度を表現できますが ArcObjects のメソッドで角度を指定する際、また開発環境の数学関数でも角度はラジアンで指定します。正しい理解を深めるためにこのトピックでは度とラジアンについて解説します。

解説

度(度数法)

度数法とは円の 1 周を 360 度とした場合の表現方法で、日常生活で角度を表すのによく使われています。半円の中心角は 180 度の角度をなし、4 分の 1 の円の中心角は 90 度の角度をなします。 1 周を 360 度と決めたのは、一説では古代メソポタミアの天文学者が月と太陽の動きから地球が 1 日で太陽の周りを回転する角度を 1 度とし、地球が太陽の周りを 1 周する 1 年は 360 日と定義したためと言われています。実際のところ、360 はいろいろな数で割り切れる便利な数値です。

ラジアン(弧度法)

弧度法とは "円の半径" と "扇形の弧の部分の長さ" が等しい時の中心角を 1 ラジアンとする表現方法です。円弧の長さと半径の関係(比の関係)で角度を表そうとしているのです。円の周囲を円の半径分進んだ時の角度が 1 ラジアンです。ラジアン 1 つ分が表す角度は約 57.3 度になります。円の周囲を円の半径 2 つ分進んだ時の角度は 2 ラジアンで、角度を考える時に円の周囲を半径の何個部分進んだかという考え方(つまり進んだ距離と半径との比)なのでラジアンに単位はなく、数値になります。ラジアンで 1/2 という時は、円の周囲を半径の半分だけ進んだ時の角度なのです。円の周囲は "半径 * 2 * π" ですので円の 1 周は半径の 2π 個分あります。つまりラジアンで考えると "360 度 = 2π ラジアン" です。

なぜラジアンが使われるのか

三角関数を考えた時にその量の定義の中に無理数である π を取り込んでいるラジアンを使うといろいろと便利なのです。微分した時に数式がすっきりしたり、( (sinθ)' = cosθ)、円運動の記述が簡単になったりします。関数における角度を示す引数は、度でもラジアンでもどちらでも良さそうですがどちらかに決めるとしたら多方面で数学的に都合の良いラジアンになるのでしょう。

変換式(.NET Framework)

角度 a ° をラジアンで示す場合、 a に Math.PI/180 を乗算します。

ラジアン θ を度で示す場合、θ に 180/ Math.PI を乗算します。

※ Excel 関数には、RADIANS 関数、DEGREES 関数が用意されています。

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