FAQ
ArcGIS Engine Runtime の概要

ナレッジ番号:5265 | 登録日:2023/07/26 | 更新日:2024/11/21

内容


ArcGIS Engine Runtime の導入

ArcGIS Engine Runtime は、カスタム ArcGIS Engine アプリケーションが導入されるすべてのエンド ユーザのマシーンにインストールされなければなりません。ArcGIS Engine 開発者キットの購入者として、開発者はコンパクトディスクに、またはカスタム アプリケーションのインストレーション プログラムの中に、ArcGIS Engine Runtime を自由に配布することができます。ArcGIS Desktop がインストールされているエンド ユーザのマシーンに ArcGIS Engine Runtime をインストールする必要はありません。ArcGIS Desktop がインストールされる前に、マシンに .NET Framework と Java Runtime 環境(JRE)がインストールされているならば、.NET または Java アプリケーション プログラミング インタフェース(API)を使用して開発されたカスタム ArcGIS Engine アプリケーションが必要とする .NET と Java フィーチャは、ArcGIS Desktop のインストール時に、自動的に一緒にインストールされます。

カスタム アプリケーションの導入

カスタム アプリケーションを新しく配置するのに使用される方法は、プロジェクトの開発当初に決定されますが、それは開発者の組織、エンド ユーザの要望、セットアップを作成したこれまでの経験によります。たとえば、カスタム セットアップは Microsoft Windows インストーラ(MSI)テクノロジを使用することもできれば、スクリプトで記述することもでき、エンド ユーザにCDで配布されるバッチファイルにすることもできます。
以下のスクリーンショットは、ArcGIS Engine Runtime とカスタム アプリケーションをセットアップCDからインストールするバッチファイルの例を示しており、続いてソフトウェア オーソライゼーション ウィザードをエンド ユーザに対して表示しています。

Image

エンド ユーザのためのソフトウェアの認証

ArcGIS Engine アプリケーションを開発および導入するための最後の手順は、すべてのクライアント マシンに ArcGIS Engine アプリケーションをサポートするのに適したライセンスが構成されているのを確認することです。 このセクションではエンド ユーザと開発者が ArcGIS Engine Runtime コンポーネントをクライアントのシステムに認証させるさまざまな方法について詳しく述べます。

ソフトウェアの認証は、ArcGIS Engine Runtime ソフトウェア コンポーネントのロックを解除するプロセスです。 開発者は、 ArcObjects .NET Developer Kit をインストールして構成するときにこれを行います。ソフトウェアをインストールした時、ソフトウェア オーソライゼーション ウィザードが現れ、製品を選択させます。そして選択した製品を認証します。ソフトウェアの認証に成功した後でのみ、ArcGIS Engine コンポーネントを使用したアプリケーションを設計することができます。すべての導入されたアプリケーションは同じような方法で認証されなければなりません。認証を完了するためのさまざまな多くの方法があります。構築し、導入するすべてのアプリケーションは適切なライセンスでそれ自身を初期化しなければなりません。

ライセンスの初期化とランライム バインディング(結び付け)は開発したアプリケーションに組み込まれなければなりません。.詳細については、アプリケーションの開発とライセンスの初期化をご覧ください。

開発したアプリケーションを初期化する適切なライセンスの保管はクライアントマシン上、またはネットワーク上でソフトウェア オーソライゼーション アプリケーションによって管理されています。
有効でないライセンスに対して初期化しようとしたり、必要なライセンスのインスタンスがすべてチェックアウトされていると、アプリケーションは動きません。
開発者として、クライアントがソフトウェアをどのように認証するか計画を立てます。
ソフトウェアの認証は、典型的に以下の方法の中のひとつで実行されます。

  • ArcGIS Desktop ユーザ
  • ESRI から直接 ArcGIS Engine Runtime を取得するユーザ
  • ESRI と直接やり取りしないユーザ

ArcGIS Desktop ユーザ

クライアントが認証された ArcGIS Desktop ユーザである場合、開発者とクライアントは構築したアプリケーションをインストールして実行するための以下のプロセスを進めます。

  1. アプリケーションのライセンス要件、つまり Basic、Standard、あるいは Advanced の単独使用または同時使用なのかを、必要なエクステンンションと共に調べて、確認します。
  2. クライアントはアプリケーションと共に使用できる、適用可能な ArcGIS Desktop オーソライゼーション ファイルを持っているか、前のステップで定めた通り、確認します。
  3. 必要ならば、開発者またはクライアントがカスタム ArcGIS Engine アプリケーションを、ArcGIS Engine Runtime と一緒にインストールします。

    ArcGIS Desktop がインストールされているエンド ユーザのマシーンに ArcGIS Engine Runtime をインストールする必要はありません。ArcGIS Desktop がインストールされる前に、.NET Framework と JRE がマシンにインストールされていると、.NET または Java APIを使用して開発されたカスタム ArcGIS Engine アプリケーションが必要とする .NET と Java フィーチャは、ArcGIS Desktop のインストール時に、自動的に一緒にインストールされます.
  4. アプリケーションが開始すると、アプリケーションは初期化を行い、利用可能なライセンスをチェックアウトします。

ESRI から直接 ArcGIS Engine Runtime を取得するユーザ

2番目のエンド ユーザの型は ArcGIS Engine Runtime ソフトウェアを購入し、オーソライズします。
開発者とクライアントは次の手順に従って、開発者が構築したアプリケーションをインストールし、実行します。

  1.  開発者がアプリケーションのライセンス要件を確認し、決定します。
  2.  前のステップで定めた通り、クライアントが ArcGIS Engine Runtime と必要なエクステンション(例えば、3D、ジオデータベース、Spatial、Network等)を購入します。
    クライアントは ESRI カスタマーサービスから電子メールで購入した製品のオーソライゼーション番号を受け取ります。オーソライゼーション番号は、単独使用ライセンスの場合は、ESUxxxxxxxxx の形式、同時使用ライセンスの場合は EFLxxxxxxxxx の形式、エンタープライズ単独使用ライセンスの場合は EEAxxxxxxxxx の形式になっています。エンタープライズ単独使用ライセンスは、最初にライセンス マネージャ上でオーソライズする必要があり、そうすることで組織内で配布できるようになる単独使用ライセンスです。これは、各エンド ユーザマシンが ESRI カスタマーサービスに対してソフトウェアのオーソライズを行うのを回避します。
  3. クライアントは単独使用または同時使用の ArcGIS Engine 製品とエクステンションを ESRI カスタマーサービスでオーソライズします。Engine Runtime 同時使用ライセンスを使用する場合、そのライセンスはネットワーク上のライセンス マネージャでオーソライズする必要があります。ArcGIS ライセンス マネージャのインストールと管理上の注意は、 ArcGIS  ヘルプ システム ウェブサイトにあります。
  4. クライアントが ArcGIS Engine Runtime ソフトウェアをインストールします。
  5. インストレーションが完了すると、クライアントは ArcGIS Administrator ウィザードを開始し、ArcGIS Engine Runtime 単独使用または同時使用を選択します。単独使用を選択すると、エンタープライズ単独使用ライセンスをもっている場合は ESRI カスタマーサービスに対して、または組織内のライセンスサーバーに対してソフトウェアをオーソライズする必要があります。同時使用ライセンスを選択すると、ステップ3で構成されたライセンス マネージャを指定する必要があります。
  • Windows の場合、[スタート] → [プログラム] → [ArcGIS Administrator] をクリックし、ArcGIS Administrator ウィザードを開始します。
  • Solaris と Linux の場合、\ArcGIS\Engine10.0 フォルダに進み、authorizeSoftware を実行します。
  1. その後、開発者またはクライアントがカスタム ArcGIS Engine アプリケーションをインストールします。
  2. アプリケーションの開始時に、アプリケーションはクライアントのオーソライゼーション ファイルで利用可能なライセンスの初期化とチェックアウトを行います。

カスタム アプリケーションは、ArcGIS Engine Runtime がインストールされていないエンド ユーザのマシンに配置されます。ArcGIS Engine Runtime ソフトウェアのインストール、登録、認証はエンド ユーザが実行しなければならないので、これは開発者にとって最も簡単な導入方法です。

ESRI と直接やり取りしないユーザ

アプリケーション内でのオーソライゼーション ファイルの再配布はこのトピックで文書化されていますが、以下は使用上のユーザの制限です。

  • アプリケーションが組織内でのみ使用される場合は、オーソライゼーション ファイルをこの方法で再配布できます。 ただし、開発者が購入したライセンスの数を超えるオーソライゼーション ファイルを配布することはできません。
  • アプリケーションがサードパーティで使用される、またはサードパーティに販売される場合、オーソライゼーション ファイルの「再配布」は標準の ESRI ソフトウェア 使用許諾書(英文)(MLA)に違反するため、ライセンスを個別に取得する必要があります。 この型のライセンスに関する情報についての問い合わせ先は、ESRI Business Partner Group または 国内のディストリビュータです。

ArcGIS Engine アプリケーションを使用する権利および導入する方法については、次に示す MLA で「開発者 GIS」の下にある脚注を参照してください(MLA の条項が更新されていないかどうか定期的に確認してください)。※訳注:MLA 日本語版は製品購入時に書面もしくは PDF ファイルが送付されています。国内のお客様はそちらをご覧下さい。

 

以下のコマンドラインを見てください。

SoftwareAuthorization.exe /LIF <*.prvc> /S

ソフトウェア オーソライゼーション ウィザードのサイレント オーソライゼーションはインターネット 接続が必要です。

アプリケーションの開始時に、 アプリケーションはクライアントのオーソライゼーション ファイルで利用可能なライセンスの初期化とチェックアウトを行います。

カスタム アプリケーションがエンド ユーザ マシンに導入されます。
カスタム セットアップが ArcGIS Engine Runtime をインストールし、オーソライズするので、エンド ユーザと ESRI のコンタクトはありません。

もしエンド ユーザが ArcGIS Engine Runtime 同時使用ライセンスを使用したい場合、ArcGIS Engine Runtime のサイレント インストレーションの間に、ESRI_LICENSE_HOST= parameter を使用してライセンス マネージャを指定することができます。以下のコマンドラインを見てください。


Msiexec /i <setup location>\setup.msi ESRI_LICENSE_HOST=<license manager name>SOFTWARE_CLASS_ENGINE=Runtime SEAT_PREFERENCE_ENGINE=Float INSTALLDIR1=D:\python /qb

オフライン認証

もしエンド ユーザのマシンにインターネット接続がない場合、電子メール経由で、または Webサイト オプションでソフトウェアのオーソライズを行うことができます。
ソフトウェア オーソライゼーション ウィザードの認証方法のパネルで、"ESRI の Web サイトで認証するか、電子メールで認証ファイルを受信。"を選択します。

参照:

Licensing and copy protection questions and answers
アプリケーションの開発とライセンスの初期化


この FAQ は、ArcObjects Help for .NET Developers 内のトピック Deployment overview を元に翻訳したものです。

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