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セットアップ プロジェクトを使用した ArcGIS Engine アプリケーションの導入の方法
ナレッジ番号:3874 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21
サマリ
このトピックでは Visual Studio でセットアップ プロジェクトを作成して ArcGIS Engine アプリケーションを導入する方法を説明しています。
内容
- ArcGIS Engine アプリケーション セットアップ プロジェクトを使用した導入要件
- セットアップ プロジェクトの作成とプロパティ設定
- セットアップ プロジェクトにアプリケーションファイルを追加する
- 既定のインストール位置を設定する
- ユーザのプログラムメニューにショートカットを作成する
- 起動条件の追加
- setup.exe のテスト
ArcGIS Engine アプリケーション セットアップ プロジェクトを使用した導入要件
処理の前に以下の要件を確認します。
- 開発用コンピュータ上で Visual Studio を使用して(EngineWindowsApplication と呼ばれる)ArcGIS Engine アプリケーションが作成されている。このトピックでは、EngineWindowsApplication の実行ファイルの名前は EngineWindowsApplication_NoCode.exe である
- EngineWindowsApplication は別の Windows コンピュータに導入される(以降、対象PCと呼びます)。 ここでランタイムライブラリのホストセットは ArcGIS Engine Runtime である。
- 対象の PC には.NET Framework 3.5 SP1 がインストールされている。
- EngineWindowsApplication のコード内で、以下のメソッドの呼び出しが、対象の ArcGIS Engine Runtime に対し行われる。
-
- ESRI.ArcGIS.RuntimeManager.Bind(ESRI.ArcGIS.ProductCode.Engine)
- EngineWindowsApplication は Visual Studio で(デバッグバージョンでなく)リリースバージョンを使用して構築される。これにより、より小さな導入サイズと最適化されたバイナリファイルが作成される。
- EngineWindowsApplication は開発プロジェクト内にアイコンが埋め込まれている。このアイコンは、セットアップインストールの一部として、作成されたショートカットのイメージになる。
- EngineWindowsApplication .exe は \\DevelopmentPC\image\bin に配置されている。
- ArcGIS Engine オーソライゼーション ファイル(.prvc)は ESRI Customer Service から取得済みであり、それにより ArcGIS Engine Runtime ソフトウェア コンポーネントをアンロックする
- EngineWindowsApplication は setup.exe を使用して導入される。
セットアップ プロジェクトの作成とプロパティ設定
以下のステップを行い、setup.exe を作成します。
- Visual Studio を起動します。
- [ファイル] をクリックし、[新規作成] → [プロジェクト] と進みます。[新しいプロジェクト] ダイアログボックスが現れます。
- [新しいプロジェクト] ダイアログボックスで、[インストールされたテンプレート] にある、[その他のプロジェクトの種類] をクリックして展開します。[セットアップと配置] の [Visual Studio インストーラー] を選択し、次にテンプレートエリアから [セットアップ プロジェクト] を選択します。
- [新しいプロジェクト] ダイアログボックス上で、以下の情報を追加します。
- [名前] テキストフィールドで、「MyEngineApp」 と入力します。
- [参照] ボタンをクリックして、適切な場所を探すかまたは [場所] フィールドに場所を入力します。
- [ソリューション名] テキストフィールドで 「MyEngineApp」 と入力します。
- [新しいプロジェクト] ダイアログボックスで [OK] をクリックします。プロジェクトが作成され、ソリューション エクスプローラー上にファイルが表示されます。
- ソリューション エクスプローラーで、MyEngineApp プロジェクトを選択し、F4 キーを押します。プロパティ ウィンドウが現れます。
- プロパティ ウィンドウ上で、アプリケーションに対し以下を指定します。
- Author ― GISDeveloper.
- InstallAllUsers ― True に設定すると、マシン上のすべてのユーザに対してインストールします。セットアップを実行したユーザに対してのみアプリケーションをインストールしたい場合は、False に設定します。
- Manufacturer ― MyGISCompany
- ProductName ― MyEngineApp
- Version ― 1.0.0.
セットアップ プロジェクトにアプリケーションファイルを追加する
対象の PC にインストールされる、EngineWindowsApplication.exe のセットアップ プロジェクトが準備できました。exe のイメージフォルダはすでに作成されているので、Visual Sudio へドラッグ&ドロップしてそれをセットアップ プロジェクトに追加します。
- ソリューション エクスプローラーで [ファイル システム エディター] ボタンをクリックします。[ファイル システム] ペインが現れます。
- [ファイル システム] ペイン上に [対象コンピュータ上のファイル システム] ノードと [アプリケーション フォルダー] ノードがあります。Windows エクスプローラの \\DevelopmentPC\image\bin フォルダをその位置にドラッグ&ドロップします。
- Visual Studio は自動的に EngineWindowsApplication .exe ファイルによって使用される依存ファイルをセットアップ プロジェクトに追加します。これらの追加された依存ファイルは、 ソリューション エクスプローラーの [見つかった依存関係] フォルダの下にあります。ESRI アセンブリとバイナリファイルをセットアップ プロジェクトの一部として配布するのは ESRI 使用許諾書に違反します。すべての ESRI アセンブリとバイナリファイルは ArcGIS Engine Runtime インストレーションの一部としてインストールされます。
- リストから削除するために、自動的に見つかった ESRI アセンブリとバイナリファイルをソリューション エクスプローラーから選択します。 (この時、Microsoft .NET Framework は選択しません)
- 右クリックして、[除外] を選択します。除外されないファイルは EngineWindowsApplication .exe と Microsoft .NET Framework だけです。
既定のインストール位置を設定する
ユーザが対象 PC で setup.exe を実行する時、インストーラーが使用する既定のインストール場所があらかじめ設定されている必要があります。この場所を設定するには以下を行います。
- [ファイル システム] ペイン上で [アプリケーション フォルダー] ノードをクリックし、F4 キーを押します。プロパティ ウィンドウが現れます。
- プロパティ ウィンドウで、[DefaultLocation] を「[ProgramFilesFolder]\[ProductName]」に設定します。
ユーザのプログラムメニュー にショートカットを作成する
以下のステップを行い、アプリケーションがインストールされた時にプログラム メニューにショートカットが作成されるようにします。
- [ファイル システム] ペインでクリックし、[アプリケーション フォルダ] と [bin] フォルダノードを展開します。EngineWindowsApplication_NoCode.exe ファイルを右クリックし、[EngineWindowsApplication_NoCode.exe へのショートカットを作成] を選択します。
- ショートカットに、EngineWindowsApplication_NoCode.exe と名前を付けます。[bin] フォルダにショートカットが作成されます。しかしながら、ショートカットは [ユーザのプログラム メニュー] フォルダ内に配置される必要があります。
- [ファイル システム] ペイン上で [ユーザのプログラム メニュー] フォルダをクリックします。右クリックして、[追加] → [フォルダー] を選択します。[New Folder #1] を [MyEngineApp] に名前を変更します。
- [bin] フォルダから、新しい [MyEngineApp] フォルダにショートカットをドラッグ&ドロップします。
以下の画像は [MyEngineApp] フォルダの中のショートカットを示しています。
ショートカットは [bin] フォルダのアイコンと同じアイコンを指していません。以下のステップを行って、この問題を修正します。 - [ユーザのプログラム メニュー] → [MyEngineApp] フォルダの中のショートカットを選択し、F4 キーを押します。プロパティ ウィンドウが現れます。
- プロパティ ウィンドウで、[Icon] プロパティ ドロップダウン矢印をクリックし、[(参照...)] をクリックします。
- 前のスクリーンショットで [(参照...)] をクリックした後、[アイコン] ダイアログ ボックスが現れます。
- [アイコン] ダイアログ ボックスで [参照] をクリックします。[プロジェクトから項目を選択] ダイアログ ボックスが現れます。[検索対象] ドロップダウン矢印をクリックしてから、[アプリケーション フォルダー] をクリックし、セットアップに追加する [bin] フォルダを選択します。
- EngineWindowsApplication_NoCode.exe を選択し、[OK] をクリックします。
- exe ファイルから取り出したアイコンを Visual Studio がショートカットに適用します。
起動条件の追加
セットアップ プログラム は EngineWindowsApplication.exe をディスク上のどこに配置すべきか認識しています。成功するセットアップ プログラムは、インストールが完了する前に、要件が満たされているか確認します。ArcGIS Engine アプリケーションの場合、ArcGIS Engine Runtime がまず存在している必要があります。以下のステップを行い、対象の PC に ArcGIS Engine Runtime がインストールされていなかった場合、エラーメッセージが表示されるようにします。
- [ソリューション エクスプローラー] で、[起動条件エディター] ボタンをクリックします。
- [起動条件エディター] ボタンをクリックすると [対象コンピュータ上の必要条件] ノードを伴って、[起動条件] ペインが現れます。[起動条件] ペイン上では、Visual Studio が見つけた .NET Framework の起動条件が追加されています。
- ArcGIS Desktop のレジストリキーがわかっているので、[対象コンピュータ上の必要条件] を右クリックし、[レジストリ起動条件の追加] を選択します。
- [対象コンピュータの検索] フォルダの下に [RegistryEntry1 の検索] ノードが追加され、[条件1] が [起動条件] フォルダの下に追加されています。
- [RegistryEntry1 の検索] をクリックし、F4 キーを押します。プロパティ ウィンドウが現れます。プロパティ ウィンドウで以下の値を設定します。
- RegKey ― SOFTWARE\ESRI\Engine10.0
- Value ― RealVersion
- [起動条件] ペイン上で、[起動条件] ノードをクリックして展開します。[条件1] をクリックします。プロパティ ウィンドウで以下のプロパティを設定します。
- Condition ― REGISTRYVALUE1="10.0"
- Message ― このセットアップを完了するには ArcGIS Engine 10.0 が必要です。
実行行(訳注:[ファイル名を指定して実行] の名前テキストボックスや、[プログラムとファイルの検索] 検索ボックス等)で「regedit」と入力してレジストリ エディターを開き、以下のノードを展開することで、RealVersion 値のデータ属性が何であるかを Windows レジストリで見ることができます。
- My Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ESRI\Engine10.0
プロジェクトをビルドし、この時点で setup.exe を実行した時、もし ArcGIS Engine 10 がインストールされていなかったら、以下のダイアログ ボックスが現れてインストレーションは終了します。
setup.exe のテスト
以下のステップを行い、対象の PC でセットアップ プログラムのテストを行います。
- setup.exe と setup.msi ファイルを開発用 PC から対象の PC にコピーします。
- setup.exe をダブルクリックして 一連のウィザードを進めます。
- セットアップが完了したら、EngineWindowsApplication が対象の PC に正しくインストールされているか確認します。ショートカット が存在し、EngineWindowsApplication が動くことを確かめるために、[スタート] をクリックします。すべてのプログラム → MyEngineApp → EngineWindowsApplication_NoCode.exe とたどります。クリックして起動してみます。
- セットアップの過程で、EngineWindowsApplication.exe を配置する指定された場所を見るために、ハードディスク ドライブを閲覧することができます。
- よく出来たセットアップ プログラムは、アンインストール時にショートカットだけでなく、すべてのファイルもまたハードディスク ドライブからアンインストールします。アンインストールをテストするために、コントロールパネルから [プログラムの追加と削除](プログラムと機能)ダイアログボックスを開き、MyEngineApp プログラムの削除ボタンをクリックします。(または、MyEngineApp プログラムを右クリックし、ショートカットメニューから [アンインストール] をクリックします。)
アンインストールが完了すると、EngineWindowsApplication はショートカットが利用できなくなり、すべての MyEngineApp ファイルと(MyEngineApp アプリケーションに付随する)ディレクトリはハードディスク ドライブから削除されます。
参照:
{関連ナレッジは削除されました}スタンドアロン アプリケーションの導入
開発ライセンス
配布ライセンス Engine Developer Kit Engine Runtime この FAQ は、ArcObjects Help for .NET Developers 内のトピック How_to_deploy_an_ArcGIS_Engine_application_using_a_setup_project を元に翻訳したものです。
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