FAQ
WGS1984に関連する地理座標系変換について
ナレッジ番号:3070 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21
目次
概要
WGS1984 (WGS84) はGPSやWeb マップ(Web マップで使用されるWeb メルカトル図法の測地系が WGS1984 です。)に使われており、 以下の表にある日本で使用されているほかの座標系から WGS1984 に変換したり、 WGS1984からこれらに変換する機会はよくあります。この WGS1984 から各座標系間の変換する場合の変換方法やその注意点について説明します。
地理座標系(測地系) 別称 準拠楕円体 地心直交座標系 時期 WGS 1984
(GCS_WGS_1984)・世界測地系 WGS 1984 WGS 1984 日本測地系
(GCS_Tokyo)・旧日本測地系 Bessel 1841 2002年4月1日以前 日本測地系 2000
(GCS_JGD_2000)・世界測地系
・JGD 2000GRS 1980 ITRF 1994 2002年4月1日~2011年10月31日 日本測地系 2011
(GCS_JGD_2011)・世界測地系
・JGD 2011GRS 1980 ITRF 1994(西日本、北海道)
ITRF 2008(東日本、北陸)2011年10月31日以降 WGS1984へ変換する場合はデータの取得時期に注意
日本測地系 2000(GCS_JGD_2000) との変換
WGS1984 が採用している回転楕円体の WGS 1984 は、 日本測地系 2000(GCS_JGD_2000)が採用している回転楕円体のGRS 1980 と形状がほぼ同じとみなすことが出来ますので、 WGS1984 と 日本測地系 2000(GCS_JGD_2000)間で変換する場合は、基本的にシフト量が 0 の 「JGD_2000_To_WGS_1984_1」という地理座標系変換を使用します。ただし、2011 年に発生した東北地方太平洋沖地震の影響による地殻変動により地盤が動いた影響で、同じ地物でも震災前後では WGS1984 での座標値が異なります。このため、 この変換は2002 年 4 月 1 日から 2011 年 10 月 31 日までの測量成果に対して有効です。
2011年 11月以降の WGS1984 に変換する場合、ArcGIS Desktop 10.5 では「 JGD_2000_To_JGD2011_NTv2_1 + JGD_2011_To_WGS_1984」 を使用します。 ArcGIS 10.4.1 for Desktop 以前のバージョンの場合は、このページで提供しているサンプルの地理座標系変換「 JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2」を使用します。
日本測地系 2011(GCS_JGD_2011) との変換
東北地方太平洋沖地震による地殻変動を考慮した座標系が 日本測地系 2011(GCS_JGD2011)です。これは 2011 年 10 月以降の測量成果です。回転楕円体は 日本測地系 2000(GCS_JGD_2000)と同じく GRS 1980 を使用しているので、 2011 年 10 月以降に WGS1984 で取得した測量成果は、 日本測地系 2011(GCS_JGD_2011)とほぼ同じとみなすことが出来ます。このため、 2011 年 10 月以降に取得した WGS1984 の測量成果と 日本測地系 2011(GCS_JGD_2011)間との地理座標系変換には、シフト量が 0 の地理座標系変換を行います。ArcGIS Desktop 10.5 では、「 JGD_2011_To_WGS_1984」 を使用します。ArcGIS 10.4.1 for Desktop 以前のバージョンでは、このページで提供しているサンプルの地理座標系変換「 JGD_2011_To_WGS_1984_2011」を使用します。
(国土地理院より)日本測地系(GCS_Tokyo)との変換
WGS1984(2002年4月~2011年10月の測量成果)と日本測地系(GCS_Tokyo)間の変換
「 Tokyo_To_WGS_1984_NTv2」 を使用します。
WGS 1984(2011年10月以降の測量成果)と日本測地系(GCS_Tokyo)間の変換
「 Tokyo_To_WGS_1984_NTv2」では、正しく変換を行うことが出来ません。複数の地理座標系変換を組み合わせて変換する「コンポジット地理座標系変換」を行います。まず、日本測地系(GCS_Tokyo)から、日本測地系 2000(GCS_JGD_2000)に変換するために、「 Tokyo_To_JGD_2000_Ntv2」 を使用します。次に、日本測地系 2000(GCS_JGD_2000)から 2011 年10 月以降の測量成果にあわせた WGS 1984 に変換します。ここで、このページで提供しているサンプルの地理座標系変換「 JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2」を使用します。この 2 つを組み合わせた「 Tokyo_To_JGD_2000_Ntv2 + JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2 」へ変換します。
注意点
地理座標系の WGS1984 には時間の概念は含まれていません。WGS 1984 で取得した測量成果がいつ取得したものであるかということをデータを使用するユーザーが意識する必要があります。
まとめ:各座標系間で使用する地理座標系変換
座標系の組み合わせ
使用する地理座標系変換
(ArcGIS 10.4.1 for Desktop 以前)使用する地理座標系変換
(ArcGIS Desktop 10.5)日本測地系2000 (GCS_JGD_2000)
↑↓
WGS 1984 (2002年4月から2011年10月)JGD_2000_To_WGS_1984_1 JGD_2000_To_WGS_1984_1 日本測地系2000 (GCS_JGD_2000)
↑↓
WGS 1984 (2011年10月以降)JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2
※ サンプル地理座標系変換のダウンロードが必要JGD_2000_To_JGD_2011_NTv2_1 + JGD_2011_To_WGS_1984 日本測地系2011 (GCS_JGD_2011)
↑↓
WGS 1984 (2002年4月から2011年10月)JGD_2000_To_JGD_2011_NTv2_1 + JGD_2000_To_WGS_1984_1
※コンポジット地理座標系変換JGD_2000_To_JGD_2011_NTv2_1 + JGD_2000_To_WGS_1984_1
※コンポジット地理座標系変換日本測地系2011 (GCS_JGD_2011)
↑↓
WGS 1984 (2011年10月以降)JGD_2011_To_WGS_1984_2011
※ サンプル地理座標系変換のダウンロードが必要JGD_2011_To_WGS_1984 日本測地系(GCS_Tokyo)
↑↓
WGS 1984 (2002年4月から2011年10月)Tokyo_To_WGS_1984_NTv2 Tokyo_To_WGS_1984_NTv2 日本測地系(GCS_Tokyo)
↑↓
WGS 1984 (2011年10月以降)Tokyo_To_JGD_2000_Ntv2 + JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2
※コンポジット地理座標系変換
※JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2は サンプル地理座標系変換のダウンロードが必要Tokyo_To_JGD_2000_Ntv2 + JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2
※コンポジット地理座標系変換
※JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2は サンプル地理座標系変換のダウンロードが必要地理座標系変換のダウンロード
変換パラメーター 用途 JGD_2011_To_WGS_1984_2011 日本測地系 2011(GCS_JGD_201)と WGS 1984 (2011年10月以降の測量成果)間の地理座標系変換に使用 JGD_2000_To_WGS_1984_2011_NTv2 日本測地系 2000 (GCS_JGD_2000)と WGS 1984 (2011年10月以降の測量成果)間、日本測地系(GCS_Tokyo)と WGS 1984 (2002年4月から2011年10月)間にて行うコンポジット地理座標系変換に使用 ダウンロード方法
- 上記のファイルをダウンロードし、解凍します。
- 解凍したファイルの中身のみを以下の場所に格納します。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\ESRI\Desktop10.x\ArcToolbox\CustomTransformations- [Desktop10.x] フォルダーの「x」は、使用するバージョンによって異なります。
- [CustomTransformations] フォルダーが存在しない場合は、作成してください。
- 上記フォルダーに格納すると [投影変換] ツール実行時に選択肢が表示されます。
メタデータ
機能
種類
製品
バージョン