FAQ
ArcGIS Business Analyst による商圏への人口統計の集計方法 (按分方法)
ナレッジ番号:2708 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21
はじめに
商圏に人口などを集計するとき、標準区画(日本では「町丁・字等」など)に含まれる人口等の属性を商圏に割り当てる必要があります。
ArcGIS Business Analyst では居住ポイント(Settlement Points)を利用して、地理的な人口・世帯分布の偏りを考慮した高精度な按分集計を行っています。面積按分による方法
面積按分とは、標準区画に含まれる人口等を商圏と重なる領域の面積比率に応じて割り当てる手法です。
比較的単純なため一般的な方法ですが、標準区画内の人口や世帯の偏りは加味できない欠点があるため、ArcGIS Business Analyst では原則、居住ポイントで重みづけする方法を採用しています。
居住ポイント (Settlement Points) で重みづけをする方法
下の図において、中央のポリゴンは商圏を表し、P1~P4 の各ポリゴンは標準区画(町丁・字等)を表します。居住ポイントは黒い点で表現されています。
居住ポイントには重みとして利用する属性が格納されており、「商圏内に含まれるポイントの重みの合計/該当の標準区画に含まれる重みの合計」が按分比率として採用されます。
たとえば、右下のエリア P4 では、5/30 = 16% が按分比率になります。エリア P4 の総人口が 30 人の場合、30 × 16% = 5 人が商圏に含まれる人口と計算されます。この計算をすべての区画に対して実行し、合算することで、商圏内の人口の集計地となります。
居住ポイントの種類
居住ポイントとして採用されるデータは国や地域によって変わります。代表的なものを以下にまとめます。
データの説明 説明 基本単位区 - 日本のオンライン/オフライン データの居住ポイントとして採用
- 街区もしくはそれに準じる地域ごとに人口総数・男性/女性総数・世帯総数を提供するデータ
- 統計指標に応じて重みとして利用する属性を変更
- たとえば、2020 年の男性人口関連の場合は 2020 年男性総数、2015 年の世帯関連の場合は 2015 年世帯総数を利用
- 詳細:ArcGIS Business Analyst 製品ページのデータ
Census Block Centroid - 最も詳細な国勢調査集計エリア (通常、街区相当) から生成されたポイント データ
- 一部のポイント データは、居住エリアに合致するように移動されている
- アメリカやカナダ、オーストラリアなどで採用
Esri Raster Based Settlement Points - Landsat8 画像と道路交差点を使用して Esri が生成した約 75m 間隔の居住地ポイント
- 各ポイントに人が住んでいる「確からしさ」がスコアとして格納され、森林などの人が住めない場所は除外される
WorldPop.org Raster Based Settlement Points - WorldPop.org による機械学習アルゴリズムに基づいて生成された居住地ポイント (主要エリアは約 100m 間隔)
- 詳細:www.worldpop.org (英語)
※ 上記以外の居住ポイントは Data enrichment (英語)をご参照ください。
なお、国や地域によって使用される居住ポイントは異なります。詳細はヘルプ ページ (英語) 内の各国のページに含まれる Data Source セクションをご参照ください。
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