FAQ
ジオリファレンス(ラスターの位置合わせ)をするには?

ナレッジ番号:1548 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2024/11/21

説明

ArcGIS で位置情報を持たないラスター (衛星写真や画像データ等)を読み込むと、正しい位置に表示されません。ラスターに座標系が設定されていても正しい位置に読み込まれない場合は、ジオリファレンス(幾何補正)することによってラスターに適切な座標値を持たせることが可能です。それにより、ArcMap で他のデータと重ね合わせて表示や解析等を行う ことができます。
ジオリファレンスとは、マップ座標と空間的位置の割り当てを行うことを指します。

ジオリファレンスの方法

(準備)

  • ジオリファレンスする際に参考とする、正しい位置情報を保持したデータ。
    (座標系の定義がされているデータであって、座標値を付加したいラスターが存在する位置をカバーするもの)
  • 座標値を付加したいラスター

 

(ツールバーの表示方法)

  1. ArcMap を新規に起動し、基本になるデータを追加します。
  2. ArcMap のメニュー → [カスタマイズ] → [ツールバー] → [ジオリファレンス] をクリックし、[ジオリファレンス] ツールバーを表示します。
    ※ ツールバーの説明については、以下のヘルプでご確認ください。
    ジオリファレンス ツールバーのツール

 

(ジオリファレンスの操作)

  1.  座標値を持たないラスターを ArcMap に追加します。
    ラスターを追加した際に、[空間情報を持っていない・・・・] 等のメッセージが表示されることがありますが、そのまま [OK] してください。
  2. ラスターと基本になるデータが離れて表示されている場合は、それらのデータを近くに表示したほうが作業しやすくなります。
    ラスターの補正先付近を拡大表示し、[ジオリファレンス]  ツールバー の [表示範囲にフィット] をクリックします。マップの表示範囲に対象のラスターが移動します。
    ジオリファレンスを行う場合は、ジオリファレンスに使用するレイヤーのみ ArcMap に追加することをお勧めします。
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  3. 必要に応じて、それぞれのデータのシンボルを変更するなどして、補正しやすいように見栄えを調整します。 
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  4. 基本になるデータを一致するポイントとリンク付けするため、最初にラスタデータ側のリンク地点付近を拡大します。
  5. [ジオリファレンス] ツールバー → [コントロールポイント] ボタンをクリックし、ラスターの補正元と補正先を順にクリックします。  
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    [ジオリファレンス] メニューの [自動調整] がオンになっている場合は、動的に補正後のイメージが表示されます。
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  6. 上記の 4、5の手順を繰り返し、2地点目以降のリンク付けを行います。
    この操作を数回繰り返します。選択した補正方法によって、作成するコントロール ポイントの数が異なりますが、できるだけ離れた地点でリンク付けしてください。
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  7. 必要に応じて、 [ジオリファレンス] メニューの[変換]で、変換方法を変更します。
  8. ラスターと参照データが重なったことが確認できたら、ラスターの位置情報を確定します。[ジオリファレンス] ツールバーの [ジオリファレンスの更新] をクリックすると、ラスターに位置情報が付与されます。
    座標値を持ったラスターとして新規で出力する場合は、[ジオリファレンス] ツールバーの [レクティファイ] をクリックします。 [名前を付けて保存] のダイアログで出力ファイル名やデータの形式を指定することができます。
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(コントロール ポイント、リンクの編集)

コントロール ポイントが適切な位置に配置できなかった場合は、それを削除したり編集することが可能です。削除するには、あらかじめコントロール ポイントを選択し、ジオリファレンス ツールバーの [コントロールポイントの削除] ボタンをクリックします。

リンク テーブルを表示すると、コントロール ポイントごとの補正元と補正先の座標値を確認・編集することができます。
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参考情報

  • ジオリファレンス後の画像の座標系には、データフレームの座標系が適用されます。 データフレームの座標系が未定義となっている場合は、事前に座標系を定義してください。
  • [ジオリファレンスの更新] を行うことで、ラスタデータと同名の(*.aux)ファイル、または(*.aux.xml)や同名のワールドファイル(*.igw、*.tfwファイル)等が作成されます。
  • ArcGIS 9.2 以降のバージョンでは、ジオリファレンス後、GDALフォーマットのラスタデータを使用した際には、(*.aux)ファイルではなく、ラスタデータと同名の (aux.xml) ファイルが付加されます。「GDALフォーマット」とは、(BMP, GIF, JPEG, JPEG2000, MrSID, PNG, BIL, BIP, BSQ, ADRG, CADRG, PIX, BSB, DEM, XPM, ECW)です。
  • また、ジオリファレンスでの変換をワールドファイルとして表現できない場合に、[ジオリファレンスの更新] が変換を (*.aux.xml)に書き込み、近似アフィン変換を拡張子名の最後に「x」を付けたテキストファイルまたはワールドファイルに書き込みます。たとえば、この近似アフィン変換のある TIFF 画像の拡張子は(*.tfwx)です。これは正確な変換ではなく、近似にすぎないことに注意してください。
  • ArcGIS 9.1 およびサードパーティ ソフトウェアで必要な場合には、このテキスト ファイル(*.tfwx)をワールドファイルとして使用することができます。このテキスト ファイルを使用するには、ワールド ファイル拡張子名の「x」を削除します。このテキストファイルは ArcGIS 9.2 のラスタ データセットの一部ではないため、ArcGIS 9.2 以降のように(*.aux.xml)を読み取ることができるバージョンでは、このファイルをワールドファイルとして使用しないでください。

  • ジオリファレンスした画像を元に戻す場合は、 ラスタデータと同名の(*.aux)または(aux.xml)、同名のワールドファイル(*.igw)、(*.tfw)等を削除してください。 また、ピラミッドファイルである(*.rrd)または(*.ovr)も存在する場合は、(*.rrd)や(*.ovr)も削除してください。ピラミッドファイルは、ArcGIS 10 では、(*.ovr)であり、9.x 以前のバージョンでは、(*.rrd)です。
  • 動画で詳しい解説をご確認いただけます。
    画像に位置情報を与える

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