FAQ
ネットワーク データセットに一方通行や通行止めを設定したい

ナレッジ番号:1060 | 登録日:2023/05/29 | 更新日:2023/06/21

概要

ネットワーク解析に使用する ネットワーク データセットに対して、一方通行や通行止めのような規制の設定を行うことができます。その設定について説明します。

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必要なスキル: ArcMap 中級レベル以上
留意事項:道路の規制などを考慮しなければネットワーク データセットの作成・編集にさほどお時間はかからないのですが、規制などを考慮しますと設定すべきパラメーターが多数あり、ヘルプを見ながらお客様のご要望に合う設定を行っていただく必要が出てきます。場合によっては非常に複雑な作業になることもございますのでご了承いただけますと幸いです。

手順

ネットワークデータセットの作成時に設定する場合

  1. ネットワーク データを構成するラインに対して、「One_Way」または「Oneway」という名前のTEXT タイプのフィールドを作成します。このフィールド内に以下のような値を入力します。
    • FTまたはF:ラインのデジタイズされた方向のみ通行可能
    • TFまたはT:ラインのデジタイズされた方向と反対方向のみ通行可能
    • N:どちらの方向への移動も許可しない(通行止め)
    • それ以外の値:どちらも通行可能
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  2. ライン フィーチャクラスをフィーチャデータセットに格納し、そのフィーチャデータセットを右クリック→ [新規作成] → [ネットワークデータセット] をクリックします。[新規ネットワークデータセット] ウィザードが起動しますので、ウィザードに従って設定を進めます。
    ※ ウィザードの途中で、ネットワークデータセットの属性を設定する箇所があります。その際、手順1で指定した一方通行属性が、「規制」というタイプで自動的に設定されます。

既存のネットワークデータセットに対して設定する場合

リンク (道路) に規制状況を表す属性を付与し、それをもとに規制を追加します。ここでは [Type] という TEXT タイプの属性を付与し、値が "1" のものを通行止めにします。

  1. 対象のネットワークデータセットの [ネットワーク データセット プロパティ] ダイアログを表示し、[属性] タブを表示します。
  2. [追加] ボタンをクリックし、規制の名称 (任意) と、[使用タイプ] (規制) 、[規制の使用法] (禁止) を設定します。[デフォルトとして使用] にチェックを入れると、その規制を使用するように初期設定を行うことができます。
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  3. 追加されたネットワーク属性をダブルクリックします。 [エバリュエーター] ダイアログが表示されます。
  4. Network_ND_Junction」以外の2行について、[種類] を「フィールド」にし、[エバリュエーターのプロパティ] をクリックします。
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  5. 表示されるダイアログで、[Type] フィールドを利用した規制設定を入力します。
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    • [事前に作成したスクリプト コード]
      restricted = False
      Select Case UCase([Type])
        Case "1": restricted = True
      End Select
      
    • [Value=]
      restricted
      
  6. [OK] ボタンですべてのダイアログを閉じ、[カタログ] ウィンドウにてネットワーク データセットを右クリック → [ビルド] でネットワークデータセットを再構築します。

補足

双方向において同一の設定を行う場合は、[From-To] と [To-From] の両方で、同一のフィールド エバリュエーターを設定します。
もし方向ごとに規制の設定を変更したい場合は、異なるフィールド エバリュエーターを設定してください。

  • [From-To]の設定例
restricted = False
Select Case UCase([Oneway])
  Case "N", "TF", "T": restricted = True
End Select
  • [To-From]の設定例
restricted = False
Select Case UCase([Oneway])
  Case "N", "FT", "F": restricted = True
End Select

参考情報

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